
SPECIAL FEATURE特別取材
グラン マルニエ現地レポート。
カクテルをアップグレードする秘密!
[vol.01] -
パリ「La Grand Maison」の一夜!
#Special Feature
グラン マルニエといえば、スフレやクレープといったパティスリーに欠かせないフランス伝統のリキュール。でも、最近ではカクテルに使うのが常識なんだとか。その理由は!? というワケで、本国フランスで繰り広げられたパーティーとプレスツアーに密着!
Photos by Yas
ここはパリのオペラ座地区。
この日、グラン マルニエが世界各地からインフルエンサーやパーティピープル総勢約800名を招き、ここで一夜限りの盛大なパーティー「La Grand Maison」が繰り広げられた。
グラン マルニエ=お菓子の材料?
Non, Non!!
「La Grand Maison」はグラン マルニエのもう一つの顔である「カクテルの女王」としての存在を、パリから世界中へ発信する特別な夜なのだ。
まだわずかに明るさが残る午後6時。
エントランスの前には早くも着飾った人々が集まり始め、オープンするやいなや入場制限がかかり、歩道には長蛇の列ができたほど。
我々取材チームは混雑を見越して、早めに会場へ。
オスマニアン建築の館内に一歩入ると、グラン マルニエのゴージャスなボトル・インスタレーションが出迎えてくれた。
会場はいくつかの部屋に分かれ、それぞれDJルームだったり、フォトサービスコーナーだったり、デジタルアートのスペースだったりと、部屋ごとにさまざまなお楽しみ体験が展開されていた。
ディスカバー(試飲)コーナーには、グラン マルニエのマスターブレンダー、パトリック・ラグノーさんの姿も。
(パトリックさんには、Vol.2とVol.3で蒸留所を案内してもらってます!)
バーカウンターは3箇所あり、そのうちのひとつは女性ミクソロジストたちのカウンターだ。
ここでは「グラン トニック」「グラン オールドファッションド」「グラン マルガリータ」などが振舞われ、ドリンクとしてのグラン マルニエの底力が世界に向けて発信された。
1827年に創業し、1880年に秘伝のレシピが完成したグラン マルニエ。
1880年代から1910年代の華やかなベル・エポックの時代、当時憧れの食材だったオレンジを贅沢に使ったグラン マルニエは、一躍リッチな人たちの間で人気のドリンクに。
“フランス料理の父”とされる伝説のシェフ、オーギュスト・エスコフィエが「クレープシュゼット」を広めてからは、グラン マルニエといえばパティスリーの材料としての側面が強くなった。
しかし、ここ最近はカクテルをアップグレードさせるドリンクとしても人気なんだとか。
レシピのトリプルセックをグラン マルニエに変えた「グラン マルガリータ」。
例えば、パーティーで振る舞われていた「グラン マルガリータ」。
レシピのトリプルセックをグラン マルニエに変えただけなのに、味わいに厚みが増し、実にノーブルな雰囲気。
少しずつ舐めるようにゆっくりと飲みたくなるうえに、思わずもう1杯欲しくなる……。
なんで?
その答えは、グラン マルニエが単なるオレンジリキュールとは一線を画すから。
詳しくは、Vol.2とVol.3での製造工程をチェックしてほしい。
いずれにせよ、味や見た目にうるさいインフルエンサーやパーティピープルたちも、グラン マルニエのカクテルとその世界観に満足していたようだ。
ここフランスでは「グラン マルニエ=パティスリーのリキュール」という先入観があるのも事実だけれど、1930年代のヨーロッパにおけるカクテル黄金期にはグラン マルニエを使ったカクテルが多く振る舞われていたのも事実。
バック・トゥー・ザ・クラシック。
バーテンダーが素材に妥協しないのは、今も昔も当然であり基本といえるかもしれない。
それならば、なぜ安価なトリプルセックを判で押したように使い続けるのか!?
アメリカやカナダでは、グラン マルニエをカクテルに使うことが逆にスタンダードになっているというではないか!!
今回のパーティーでは「パティスリーのリキュール」だけじゃないグラン マルニエのポテンシャルを見せつけられた。
Vol.2とVol.3ではグラン マルニエの製造現場にお邪魔し、そのポテンシャルの秘密に迫っていこう。
Vol.2へつづく。