SPECIAL FEATURE特別取材
グラン マルニエ現地レポート。
カクテルをアップグレードする秘密!
[vol.02] -
グラン マルニエの故郷、コニャックへ。
#Special Feature
12世紀に端を発するグラン マルニエのシャトー(本社)。Photos by Yas
フランス南西部、ワインの銘醸地として知られるボルドーから車で北へ約1時間。
どこまでも続くブドウ畑をドライブすると「フランスの可愛らしい田舎」を絵に描いたような土地にたどり着く。
ここはコニャック村。
フランスを代表する蒸溜酒コニャックの生まれ故郷である。
当日はグラン・マルニエからの招待を受け、カナダ、UK、オランダ、イタリア、そして日本から、15名のゲストが集まった。
ジャーナリスト、バーテンダー、ディストリビューターといった面々だ。
でもなぜコニャック村に?
答えは簡単、グラン マルニエはここコニャックで生産されるから。
そう、グラン マルニエは単なるオレンジリキュールではなく、コニャックをベースにつくられる贅沢なリキュールなのだ。
早速、現地のコニャック蒸溜所から見学をスタート。
ちょっと話がそれるようだが、コニャックづくりは各工程に独立したプロフェッショナルがいることをご存知だろうか?
まず原料のブドウを栽培する農家があり、そのブドウを搾汁・醸造・蒸溜するディスティラーがあり、ディスティラーから蒸溜酒を購入して樽詰め・貯蔵・ブレンドし、製品に仕上げるメゾン(メーカー)がある。
つまりチームプレイによってコニャックが生産されるわけだが、それを方向付けるために厳しいコニャック憲章が存在する。
伝統と歴史を背景に確立されたこのコニャック憲章が、最良のコニャックづくりを保証しているってワケ。
今回訪れたのは、グラン マルニエのために働くディスティラー6軒のうちのひとつ、エリック・ピナールさんの蒸溜所。
彼は蒸溜所の周囲に自社農園も持ち、ブドウ栽培も行っている。
その畑と蒸溜所の近さといったら!
だからこそ、収穫したブドウを傷めず、フレッシュなうちに搾汁してワインにすることができる。
「搾汁したブドウ液は5〜6日間発酵させ、一旦ワインを醸造します。通常のワインに比べて発酵時間が短いので、アルコール度数は10%程度です。が、発酵時間が短いことで防腐剤や保存料を一切使わずにワインをつくることができるのです。これはコニャック憲章が掲げる厳格な規定のひとつです」とエリックさん。
使用するブドウは、ユニブラン100%。
試飲させてもらったところ、ワインというよりはブドウジュースに近く、香りはフレッシュで、清々しい味わいだ。
「この若々しい酸味が蒸溜に必要なのです。これを2回蒸溜します」
ここでエリックさんに別れを告げ、いよいよグラン マルニエのシャトー(城)へ。
こちらは創業2代目のルイ=アレクサンドル・マルニエ=ラポステールが1921年に購入した、12世紀を起源とするブール・シャラント城だ。
敷地内には2.5haの自社ブドウ畑とオフィス(本社デスク)、ビターオレンジパフューム(蒸溜酒)の蒸溜所、コニャック貯蔵庫がある。
つまり、パフュームの蒸溜とコニャックの貯蔵、および両者のブレンドを、このシャトーで行っているということだ。
Vol.3へつづく。