今月のカクテル
誕生200年、アンゴスチュラビターズ

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誕生200年、アンゴスチュラビターズ

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提供:Drink Planet 編集部

アンゴスチュラにアンゴスチュラは入ってない?!

アンゴスチュラは、世界で最も有名で広く使われているハーブビターのブランド名で、その誕生は1824年。
200年前に遡ります。

そのレシピは、世界で最も長い間謎とされてきたもののひとつでしょう。  
確かなのは、ハーブ、樹皮、スパイスというオリジナルレシピから変わっていないことと、アルコール度数が40%以上といったいくつかの事実だけ。

実は、「アンゴスチュラ」は、ベネズエラや南アメリカの熱帯地域に自生している小さな木の名前でもあるんです。
薬用目的として使われることもあるようですが、アンゴスチュラ社のビターズには、アンゴスチュラという名前がついていながら、アンゴスチュラ(バーク=木皮)は使われていない、ということ!

治療からカクテルへ

時は、ベネズエラの独立戦争のころ。

アンゴスチュラの町にある陸軍病院に赴任したドイツ陸軍外科医シーゲルトは、発熱や胃の障害で苦しむ多くの軍人や民間人の治療に当たっていましたが、彼は自然の治癒力に注目し、そこで秘伝のレシピを開発したのです。

シーゲルトが発明したハーブとスパイスのユニークなレシピは、その名を「アマルゴ・アロマエィコ」(芳香性のある苦味の意)と名付けられましたが、後にアンゴスチュラの町名にちなんで「アンゴスチュラビターズ」と改名。今や世界中で愛されるビターズになっています。

ちなみに「アンゴスチュラ」という町の名は、18世紀から19世紀にかけて使われていたのですが、後に、ラテンアメリカの独立の父と呼ばれる英雄シモン・ボリバルにちなんで「シウダ・ボリバル(Ciudad Bolívar)」に改名されました。(シウダは都市という意味)

1912年頃の製造風景 200年変わらぬレシピと製法 出典:Angostura社 Instagram

1912年頃の製造風景 200年変わらぬレシピと製法 出典:Angostura社 Instagram

5分の1の秘伝レシピ

シーゲルトが開発したビターズは、その後息子たちに引き継がれ、べネズエラの情勢不安を回避するためにトリニダード・トバゴに移りましたが、そのレシピは1824年に最初のボトルが世に出て以来、変更されていないと言います。

地元で言われる話では、レシピは常に5人しか持たず、ビターズを作るときは5人全員が同意しなければならないため、過剰生産が制限されているとのこと。
また、5人それぞれがレシピの一部しか持っておらず、ビターズを生産するためには一緒に集まらなければばらない程、厳密に管理されているんだとか!(凄い!)

もっと徹底しているのは輸送。ビターズの原料は、マークのないコンテナでトリニダードに運ばれ、工場に向かうマークのないトラックに積み込まれる、という話。

<左>昔のポスター 出典:Angostura社 Instagram <右>特大ラベルのボトル 出典:Angostura社 HP

<左>昔のポスター 出典:Angostura社 Instagram <右>特大ラベルのボトル 出典:Angostura社 HP

過ちの特大ラベル

アンゴスチュラビターズの外観的特徴と言えばあの特大ラベル。そもそもが間違いだったサイズ。

兄弟のひとりがボトルを作成、もう1人がラベルの作成を担当。
酒類のブランディングの歴史の中でも“最も幸運な過ち”としか言いようのないのは、どちらの兄弟も相手に相談しなかったこと。
誰かが修正するだろうと思っていたら、誰も直さず(カリブ的なおおらかさ?)、結局、この大きすぎるラベルはトレードマークになった訳(笑)

今月のカクテル

シェフにとっての塩と同じくらいバーテンダーにとっても重要な一品がビターズ。
これがなければ、マンハッタンもオールド・ファッションドもウイスキー・サワーも楽しめない、と言わしめたアンゴスチュラ・ビターズ。
そのカクテルは400とも500とも!

今月はアンゴスチュラビターズを効かせたカクテルを。

<左>
カクテル名 / バーテンダー名: Cobnut Old Fashioned コブナッツ・オールドファッションド by Leo Robitschek/レオ・ロビッチェクさん
特別取材:ミクターズの人気の秘密に迫る、3人のプロフェッショナルにインタビュー!
オリーブオイルをインフューズドしたミクターズは、みずみずしく独特のテクスチャー
アンゴスチュラビターズをしっかり効かせて

<中>
カクテル名 / バーテンダー名: Piccolinaピッコリーナ by Bobby Hiddleston/ボビー・ヒドルストンさん
バー名:Swift Soho/ロンドン
バーで一番人気のシェリーカクテル、シェリートポートにビターズがマッチ

<右>
カクテル名 / バーテンダー名: New Aged Fashioned新旧ファッションド by Hideyuki Saito/齋藤秀幸さん
バー名: Gold Bar at EDITION/東京・虎ノ門
土っぽさ、苦味を効かせたモダンなオールドファッションド
通常の倍量のビターズを加えて

ところで、「アンゴスチュラビターズの日」があるって知っていますか?
8月30日です。
アンゴスチュラビターズを販売していたのは Dr.J.B.シーガルト&サンズ社ですが、1921年8月30日に、アンゴスチュラビターズリミッテッドとして再編成されたからとのこと。(現在はAngostura Limited)

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