INTERVIEWバーテンダーインタビュー
MAZ:
アマゾンからアンデスまで
ペルーを表現する最新ガストロノミー。
<前編>
#Interview
Santiago Fernandez/サンティアゴ・フェルナンデス
「Central」オーナーシェフのヴィルヒリオ・マルティネスさん(左)と「MAZ」ヘッドシェフのサンティアゴ・フェルナンデスさん(右)。
「高度」という概念を駆使した美食。
南米ペルーの首都リマにある有名レストラン「Central(セントラル)」をご存じだろうか?
The World’s 50 Best Restaurantの常連であり、2022年度版では2位、Latin America’s 50 Best Restaurant 2022では堂々の1位に輝いたレストラン、と聞けばピンと来る方も多いのではないだろうか。
これまで欧米が主役だった世界のガストロノミーシーンに「南米」という風を吹かせたのが「Central」であり、オーナーシェフのヴィルヒリオ・マルティネス(Virgilio Martinez)さんだ。
(世界の美食家たちは「Central」に行くために、ペルーを訪れる、とまで言われるほど!)
なぜヴィルヒリオさんの料理が美食家たちを惹きつけたかというと、その理由の一つが美食の世界に「高度」という概念を持ち込んだから。
ご存じのようにペルーには長い海岸線があり、アマゾンの熱帯雨林があり、同時に標高5,000mを超えるアンデス山脈が控えている。
それゆえ、ペルーの先住民たちは土地を東西南北ではなく「高度」で捉えていたという。
その概念を美食に昇華させたのが、ヴィルヒリオさんなのだ。
例えば、「Centaral」の料理名には「海抜〇〇〇m」や「水深〇〇〇m」など、料理名とともに「高度」が併記される。
この高度の違いを利用して、つまりは同じ高度の食材を使って、一皿ごとに料理を仕上げ、コース全体でペルーという土地が持つ多様性や生態系を表現している。
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