PICK UPピックアップ
バーシーンのネクストトレンドは、
イタリア発のクラフトリキュール!
<前編>
#Pick up
Nomiya Yusuke/野宮裕介 by「LIQUORERIA」
「LIQUORERIA」で扱う2つのリキュールを紹介してくれた野宮さん。
イタリア語ではリキュールのことを「リクオーレ」、リキュールを専門に扱うショップを「リクオレリア」と呼ぶのだとか。
どりぷらでも既報通り、今年1月オープンしたECサイト「LIQUORERIA(リクオレリア)」は、イタリア産クラフトリキュールを専門に扱う。
手掛けるのは、イタリア在住16年のバールマン、野宮裕介さん。
バールマンとはイタリアのバールで働くプロフェッショナルのことをいう。
酒場とコーヒーショップが一緒になった業態がバールなのだが、ここでコーヒーを提供するのがバリスタ、お酒とコーヒーのどちらにも精通しているのがバールマン。
つまり、バールにおいてバーテンダーとソムリエとバリスタを兼ねるのがバールマンだ。
取材にご協力いただいたのは、墨田区にあるBar Helissio。カクテルにも料理にも100%の探究心で向き合うバーテンダーの上澤秀徳さんが、こだわりの飲み方を模索してくれた。
イタリアのバールで知った、奥深いリキュールの世界。
野宮さんは16年前、トスカーナの港町、リヴォルノでバリスタのキャリアをスタートさせた。
初めはコーヒーだけを提供していたが、一流のバールマンを目指すべく、ミラノに移りカクテルの勉強に本腰を入れる。
バールで扱うお酒と接するうち、イタリア人にとってとりわけ身近なリキュールに惹かれるようになった。
「イタリア人にとってリキュールは日々の生活に欠かせないものです。
ランチの時に軽く一杯、ディナーに出かける前のアペリティーヴォ(食前酒)、コーヒーと一緒に飲む食後酒……。
種類も豊富で飲み方も多彩、それぞれがこだわりの飲み方を持っている。
そんなリキュール文化に惚れこみました」
豊かな自然と、それが育む美食で知られるマルケ州。ここにも注目の造り手が……。
そもそも嗜好品としてのリキュールは中世イタリアで生まれたという説もあるほど。
その土地に自生する野草やハーブ、季節のフルーツをアルコールに浸すリキュール。
イタリア各地に郷土のリキュールがあり、100年前にはどの家庭でもリキュールが造られていた。
つまり各地方、街、家庭に独自のレシピが存在するのである。
「イタリア人はみな、好みのリキュールと好みの飲み方があります。
バールはただ飲食する場という以上にコミュニケーションを楽しむ空間という意味合いが強いのですが、夕方、バールに人が集まりだすとお国自慢ならぬリキュール自慢が始まります」
1890年に創業したクアリャ蒸留所で曽祖父秘伝のレシピを守る4代目のカルロさん。
イタリア独自のリキュール文化を、日本へ。
バールマンとお客さん、もしくは常連客同士の会話から全く新しいレシピが生まれることも。
常連客がいつもオーダーするレシピが、いつしかその人の名前で呼ばれるようになることも珍しくない。
「そうそう、ネグローニ伯爵に由来する『ネグローニ』がいい例です。
郷土の料理、郷土のリキュール、個々人のこだわりの飲み方。
それはイタリアの食文化そのものといえるでしょう」
イタリア各地のバールで働いて、数え切れないほどのリキュールとその飲み方を教えてもらった野宮さん。
こういうリキュール文化はイタリアの他にはないものだと感じた。
ピエモンテ州はトリノ郊外で、クアリャが造るベルガモットのリキュール、「BERGAMOTTO(ベルガモット)」。
日本ではカクテルの材料としてしか見られていないリキュールだが、イタリア人のような楽しみ方を伝えればリキュールがもっと身近になるかもしれない。
そんな思いから「LIQUORERIA」をたちあげた。
「種類も飲み方もフレーバーも多すぎるがゆえに、リキュールとは何ぞやという定義が定まっていないのですが、そういう懐の広さがリキュールの魅力であり面白さ。
飲み方に正解はないですから、アイデア次第で楽しみ方は無限に広がります。
飲み手のファンタジーを実現できるお酒、そんなリキュールの魅力をお伝えしていきます」
後編では「LIQUORERIA」のセレクションのポイントと、リキュールの飲み方の極意をお伝えしよう。
後編に続く。
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LIQUORERIA | |
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