![SHELTER:マニア垂涎のボトルと、少しのエロティシズムと。
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PICK UPピックアップ
SHELTER:マニア垂涎のボトルと、少しのエロティシズムと。
注目は、"女の子がいる"本格バー!?
<前編>
#Pick up
Moriito Kazuhiko/森糸一彦 from「SHELTER」
文:Ryoko Kuraishi 撮影:Kenichi Katsukawa
バックバーがスゴイ!ハウスボトルが「シーバスリーガル ミズナラ」で、ハイボールを頼むと「シーバスリーガル ミズナラ」のハイボールがロックフィッシュ方式で提供されることからも、「SHELTER」がいわゆる“ガールズバー”とは全く違うということがわかる。
“日本一”を目指した飲み放題メニュー
大森にあるガールズバー「SHELTER」は、バニーガールが接客してくれるウイスキー&アブサン・バーだ。
恵比寿、中目黒の系列店に続いて4年前にオープンした。
ここがスゴイのは、500を超えるウイスキー&100種超というアブサンの品揃えと、「日本一を目指した」という飲み放題メニューだ。
飲み放題メニューの中にラインナップされているのは、シングルモルトを中心に、スペイサイド、ハイランド、アイラ、ローランド、アイランズが一通り。日本一の品揃えのビッグピートや、富山のT&Tを中心としたボトラーズも多数。
特筆すべきはジャパニーズだ。こちらは系列店の中でもジャパニーズに力を入れていて、イチローズモルトに三郎丸、桜尾まで、地方にあるすべての蒸溜所の銘柄を揃えている。
ジンはモンキー47、バーヒル、ボタニスト、サイレントプールにジャパニーズクラフトジンなど、ジン好きの心を捉えるラインナップだ。
そのほか、テキーラ、メスカル、ブランデー(すべてプロプリエテール)カルヴァドス、シェリー、ポートワインにマディラ、グラッパ、マール、ピスコ、パーリンカまで!
まさに死角なし!のラインナップなのだ。
代表(店主)の森糸さん。
水商売が苦手な自分でも、「行ってみたい」と思える店を。
恵比寿、中目黒、そして大森にある「SHELTER」3店舗を統括&プロデュースするのが、代表にして店主の森糸一彦さんである。
10代のころにバーテンダーの仕事に憧れ、『バーテンダーズマニュアル』を読みふけり、カクテルの技法やレシピ、スピリッツやリキュールの歴史を勉強した。
箱根にある有名ホテルのレストランでサービス業に就いたものの、バーテンディングやカクテルにまつわる仕事には関われず。
その後、舞台俳優をやりながらレストランや居酒屋などの飲食業に携わり、30代で水商売を経験する。
「『日本一』と謳われた、歌舞伎町にある高級キャバクラでヘッドマネージャーまで務めました。
そこで水商売の裏側を学び、縁あって恵比寿でガールズバーのプロデュースをすることになったんです」
水商売をやっていたものの、プライベートでは水商売の店に飲みに行こうとはまったく思わなかったという森糸さん。
自らが店を手掛けるにあたり、自分でも行ってみたいと思える店をプロデュースしようと考える。
飲み放題といっても一気飲みは禁止。「手間暇かけて造られたお酒を、じっくり味わってほしい」という思いで構成された飲み放題メニューだ。心して味わおう。
「僕がガールズバーやキャバクラに行きたくない理由は、お酒のラインナップにあります。何を飲まされているかわからないところには怖くて行けません。
じゃあいいボトルを揃えればいいのかというと、それだけでは“相応の値段を取る高級クラブ”になってしまい、恵比寿という場所ではビジネスになりません。
そこで考えたのが、いいものを取り揃えた豊富なラインナップの中から自分が飲みたいものを飲める・飲み比べられるという、“大人の飲み放題”システムでした」
「10代のころに読んだ『バーテンダーズマニュアル』が初めて生きた」と笑うが、こうしてお酒のセレクションに妥協を許さない、“日本一の飲み放題メニュー”を備えたガールズバーが誕生する。
恵比寿についで中目黒、そして大森とビジネスを広げていく中で、3店舗それぞれの特色も出していった。
人気No.1の自家製ビーフジャーキー。軽くクリスピーな口当たりで、ジャーキー観を覆されるコト請け合い。右はジャーキーにピッタリの「クリアブラッディセロリ」¥1,200。フレッシュトマトを10時間かけて融点抽出したジュースに、セロリシードをインフューズドした「シロック」を合わせたカクテル。セロリシードソルトのスノースタイルで提供する。
「ロケーションもありますが、自分の年齢があがっていったこともあって、各店舗にはその時々の自分の好みも反映されているように思います。
恵比寿は若い人が集まる場所柄、いちばんにぎやかでカジュアルに楽しめる店。中目黒はそれよりももっと落ち着いた空間で、大人が集い、飲めるスペースです。
もっともオーセンティックを意識しているのが、ウイスキーとアブサンをテーマにした大森。
ここをオープンするにあたって自分の個人的なコレクションを持ってきたこともあって、バックバーももっとも充実しています。
オーセンティックバーで活躍する同年代のバーテンダーとの交流も広がったことで、カクテルメニューも充実するようになりました」
ステア系のカクテルは女の子が作る。この店でいちばんキャリアの長いあわさん(トップ画像)が作ってくれたのは、定番人気のモスコミュール。自家製ジンジャーウォッカを使ったモスコミュールはパンチの効いた辛みが持ち味。
酒好きと女の子好き、異なる客層が織りなすケミストリー。
「SHELTER」をガールズバーの枠内の店として運営しているわけではないが、さりとてオーセンティックバーでもない。
これだけの品揃えを誇るバックバーに、あえてエロティシズムのエッセンスを取り入れたのは?
「ウイスキーマニアやバー愛好家と、女の子好きという、普通は交わらない2つの層のケミストリーが面白いから」と森糸さん。
「希少なボトラーズを目当てに来店される方も少なくないのですが、そういう方は女の子が接客するお店に慣れていない。
水商売っぽい雰囲気を異次元に感じられるようで、ウイスキー目当てだったのに『女の子とのおしゃべりが面白かった』なんておっしゃいます。
逆に女の子が目的で来店されて、お酒の世界にどっぷりとハマってしまう人も。
普段、同じカウンターに横並びになることのない層が交わることで新しい世界が広がったり、思わぬニーズが生まれたり。
それが『SHELTER』の強みだと思っています」
後編では、「SHELTER」の自慢のフードについて、さらに近年深めているカクテルについて伺います!
後編に続く。
SHOP INFORMATION
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SHELTER | |
東京都大田区大森北1-3-9 春日ビル2F TEL: 03-5493-3331 URL:https://omori.fun/news.php |