PICK UPピックアップ
FURANSU COCKTAIL BAR:フランス人兄弟が営む、
金沢のミクソロジーバー。
<前編>
#Pick up
Karasawa Seigi/唐沢正義、Karasawa Naomichi/唐沢直道 by「FURANSU COCKTAIL BAR」
金沢随一の飲食街として知られる木倉町にある、国際色豊かなバー。正義さん(トップ写真右)、直道さん(同、左)の唐沢兄弟が出迎えてくれる。
祖父は金沢で割烹、父はフランスで和食店。
今年の11月で満5周年を迎える「FURANSU COCKTAIL BAR(フランスカクテルバー)」。営むのはフランス人の唐澤正義さん・直道さんの兄弟だ。
2人のエキゾチックな風貌と、純和風なネーミングのギャップが醸し出す非日常感が、なんともいい感じ。
兄の正義さんはバーマン、年子の弟・直道さんはバーテンダー。2人で役割を分担しながら店を切り盛りしているようだ。
「父が日本人で母はフランス人。生まれ育ちはフランスですが、夏休みのたびに父の実家がある金沢に遊びにきていました」と、流暢な日本語で話すのは正義さん。
聞けば、祖父は金沢で割烹を、父はフランスで「JAPAN」という和食店を営んでいたそう。
フランスで「JAPAN」だったから、自分たちは日本で「FURANSU」を。飲食店という血筋と、海外で勝負するというチャレンジ精神は父方から受け継いだ。
フランスを中心にさまざまな都市のバーで腕を磨いた直道さん。
「昔から飲食店の雰囲気が好きでした。高校、大学時代ともに、フランスの飲食店でアルバイトをしていましたから。
やっぱり自分たちもこの道を、という思いがあったのだと思います」(正義)
一方の直道さんは、一刻も早く手に職をつけたいと、高校卒業と同時にバーテンダーの道へ。ロンドン、パリの各地のバーで研鑽を積んだ。
「飲食に関わるなら雇われではなくて自分の店をもちたいと思っていました。
カクテルにしたって、自分の店なら思い通りのものを提供できます。
人の下で働いていた時はオーナーの意向が強く、思い通りのカクテルをなかなか作れませんでしたから」(直道)
バックバーには自家製のリキュール、シロップ、ビターズがたくさん。
クリエイティビティの大切さを教えてくれたカクテルコンペ。
カクテルのクリエイティビティについて、直道さんが自分を貫く大切さを痛感したのが、バスク地方のビアリッツにあるバーで働いていた時に応募した、「バカルディ レガシー カクテル コンペティション」。
「当初は店にあるグラスを使って構成を考えていたのですが、もっと自由に、クリエイティブに作っていいんじゃないかと思い直し、最終的には箱庭のような舞台を作り、石のグラスでサーブするという内容でフランス大会を戦いました。
ファイナリストにはなれなかったけれど、カクテルそのものは高く評価していただき、自分のカクテルの方向性は間違っていなかったんだ、って再認識できました。
以来、他のどこでも味わえないカクテルを作ることを大切にしています」(直道)
「いまの店を始める際も、クリエイティブなスピリッツを大事にしていこうと兄弟で話し合ったんです」(正義)
シグネチャーカクテルの「Kappamaki」。桝の上に海苔をあしらった純和風のプレゼンテーションが外国人に受ける。
日本の食材の旬の短さに驚いた。
直道さんが作るユニークなシグネチャーカクテルのイメージソースは、日本、そして世界各地の骨董店を回って集めた不思議なグラスや食器、あるいはその時に手に入る食材、などなど。
「日本に来て驚いたのが、スーパーや市場での食材の移り変わりがとても速いこと。
カクテルのレシピを作って、さあ店で提供するぞ!となると、もうその食材は出回っていない、なんてこともざらにあって。
ヨーロッパは通年で同じ食材が手に入るから、旬の短さをとても新鮮に感じました。
他の店で、その時々の旬の食材をリキュールにしたりドライにしたりしているのを見て、ああなるほどって(笑)。
場所によって出回る食材が変わるのも、日本ならではで面白いよね」(直道)
直道さんが大好きな古いうつわの数々。カクテルはすべて、異なるグラス、うつわで提供する。
「ヨーロッパではどこでも格安で手に入るハーブやミントが日本ではびっくりするほど高くて、期せずして自宅でハーブを育てるようにもなりました。
ミント、紫蘇、バジル、ローズマリー、そのあたりの定番ものは大体、庭で育てています」(正義)
自家栽培のハーブをふんだんにつかい、自家製のビターズやシュラブを駆使したカクテルの内容は、果たして?
後編では彼らのカクテルをご紹介します。
後編に続く。
SHOP INFORMATION
FURANSU COCKTAIL BAR | |
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石川県金沢市木倉町1-10 北ビル2階 TEL:070-8544-5049 |