SPECIAL FEATURE特別取材
【Hendrick’s Gin Palace Study-Tour】フォトログ
[vol.09] -
DAY 4-1 スコットランド西海岸での特別な体験!
#Special Feature
文:Drink Planet編集部
ワイルドライフ研究家でありナチュラリストのモニカさん。
「Hendrick’s Gin Palace」での熱~い夜を経て、昨夜は古城ホテル「Blairquhan」のラウンジで深夜4時頃まで飲んだとか、幽霊が出て眠れなかったとか、いろいろあって4日目の朝を迎えました。
(実際にホテルの横には絞首刑の跡地があります!)
それはともかく、4日目の午前中はナチュラリストのモニカさんを講師に迎えて、スコットランドの野生ボタニカルを採集するフォリッジツアーに繰り出しました。
モニカさんは1年間、自然界のものだけを食べて過ごしたり、アフリカのカラハリ砂漠で生活したりと、なかなかハードコアな人物。
モニカさん曰く「植物たちは毒にもなるけど、上手に使えば、自然のエネルギーに満ち溢れている」とのことでした。
日本人にもわかりやすいところで言えば、アンジェリカの花やヤロウ(セイヨウノコギリソウ)、カタバミ、マジョラム、クレソンの一種などを採取。
わかりにくいところで言えば、パセリ科のホグウィード、ブドウとイチジクの混合種フーシャ、その他、聞いたこともないようなボタニカルも説明を加えながら次々と採取しました。
スコットランドの植物でカクテルにオススメなのは、シーバックソーン(和名・サジー)とのこと。
最後はモニカさんお手製のワイルドハーブティーと、手づくりのピクルスやペースト、塩漬けなどを試食させてもらいました。
「Blackthorn製塩所」の木製タワー。
古城ホテル「Blairquhan」を後にして、今度はクライド湾沿いにある「Blackthorn製塩所」へ。
てっきり塩田があるのかと思いきや、海沿いに高さ約8mの巨大な壁のような木製タワーがあるだけ。
よく見ると、タワーには木の枝が吊るされており、その枝に塩の結晶が付着しています。
「Blackthorn」とはこの木の名前のことで、木製のタワーの上から海水をぽたぽたと垂れ流し、日光と潮風によって、木の枝に塩の結晶を付着させて製塩しているのだそうです。
(地道すぎる!)
塩の結晶を確認中。
聞けば、現在は世界でここだけの製塩法とのこと。
この木製タワーで海水の90%を蒸発させた後、さらなる乾燥を加えて製塩します。
完成した塩は「ソルトフレーク」と呼んでいるのですが、粉末状ではなくまさに塩の結晶。
ヒマラヤ岩塩と比較試食しても、断然ウマミがあり、パンチも効いていました。
(ミネラル感も断トツ!)
「Blackthorn」の樹皮から出るタンニンが甘み、酸味、苦味を引き立てるんだとか!
市販の食卓塩とヒマラヤ岩塩と食べ比べ。
「ヘンドリックスジン」とはなにも関係ないようですが、どちらもスコットランドの西海岸で、家族経営で、地道に丁寧にモノづくりをしているということ。
個性的で風変わりな「ヘンドリックスジン」も、実はこうしたスコットランド的な風土に根ざしたモノづくりをしているというメッセージなのかもしれません。
ちなみに「Blackthorn製塩所」の塩は日本でもネット等で購入可能です。